保健師 太田 敦子(おおた あつこ)
秋田県由利本荘市出身。
秋田県立本荘高等学校、秋田県立衛生看護学院 保健科を卒業。
秋田県職員として地域の健康増進に携わる。
現在は、秋田県在宅保健師等ゆずり葉の会 会長。
趣味は踊り、クルージング。

後編

●…病気の予防や健康増進は、具体的にはどんなことをするのでしょうか?

大きくいうと三つ方法があるんです。

一つ目は、集団を対象にした健康教育です。
健康講座を通じて知識を深めて健康になっていくような支援。
一方的にならないように一緒に考えていくんですけどね。

二つ目は、個人を対象にした健康相談です。
希望する方に対して相談を受けるということがあります。
電話だったり、面談だったり、メールだったり。

三つ目家庭訪問という方法もあります。
これも個人を対象にしていますが、
これは、相手が望む望まないにかかわらず
こちらが必要だと思えば訪問するということができます。
例えば虐待などの情報をキャッチしたら
相手が望まなくてもこちらから出かけていくということがあります。

このような形で、地域の方々の健康を管理していますね。

●…健康教育という面では、学生にも指導されていたんですよね。

県職員として、県庁、保健所、そして看護学院への人事異動がありました。

教育も面白いですよ。
保健科は、1年課程ですが、入口はまだ看護師の目線なんです。
ところが出口(卒業)では、もう保健師になっているんです。

教育の力というのをしみじみと感じました。

学ばない人は、いつまでたってもゼロなんです。
学習は、人を人にしていく と思います。

地域での活動も同じです。
人々が変わっていくその場所に、自分がいられるのは幸せです。

教えられることも多いです。
教えられながら、私もようやくここにきたという気がしています。

●…太田さんからは「楽しい」という言葉しか聞こえてきませんね!

人にも恵まれました。

「みんなで一緒にやっていかないと変わらないんだよ」
「一緒にやりましょうよ」という投げかけてきました。

モットーは、とにかく楽しく!です。

●…活動内容のアイディアはどのように生まれてくるのですか?

私自身から湧いてくることもありますが、
住民の方々から教えてもらうことも多いです。

そこは、一緒に新しいものを作り上げていくものですね。
うちの町内では、MMGっていう活動をやっています。

●…MMGは何の略語ですか?

MまめにMますますG元気に!
月一回の活動で、もう20年ほど続いています。

この会が楽しいっていうので、
補聴器を買い替えて参加した方もいます。

メニューは限りないです。
国語、算数、理科、体育、美術、音楽、家庭科

図書館やネットから情報を仕入れて、
参加する方々が使いやすいように
パズルやクイズ、運動などにアレンジします。

脳トレにもなるし
口の運動などは、誤嚥(ごえん)予防にもなります。

その他に、「生き生き100歳体操」という活動もしています。

みんな元気です。

●…県職員を退職された後もずっと活躍されていますね。

現在は、秋田県在宅保健師等ゆずり葉の会の会長職をしています。

第一線を退いた保健師の仲間と一緒に
現役時代の延長で、ずっと活動を続けています。

今は、プレイル(虚弱)予防対策に力を入れています。
人は、何もしなければ、衰えていきます。
プレイルを防いで、介護保険を使わずに元気でいようという対策です。

ゆずり葉の会では、市町村からの委託を受けて出向いていってます。

●…第一線を退いたと言いながら、現役じゃないですか!

ほんと、やめられません!
こんなクリエイティブな仕事はないです。

時代が少し変わって、
今は、パソコンの前で仕事をすることが増えている気がします。

難しいかもしれませんが、
この楽しさを、若い保健師にも いっぱい経験して欲しいです。

もっと地域に出て人と交わると楽しいよ!
私たちもお手伝いするので 一緒に作っていきましょう!って伝えています。

●…今後、どんな思いで活動していきたいですか?

保健師は専門職です。

保健師でなければできないことがあるので、
求められれば、断らずに誠心誠意こたえたいと思います。

体力の続く限り(笑)

つい やりすぎちゃうので、
自分の体と相談しなくちゃいけないなとは思うのですが、
人々が健康になっていくのを見られるこの仕事が本当に好きです。

健康であるということは一番の幸せです。

幸せになっていく、明るくなっていく姿に携われる職業。
なんて魅力的な仕事なんでしょう!

保健師は一生の仕事です。
私はおそらく死ぬまでこれを続けるでしょう。

天職ですから(笑)

(了)

 

インタビュアー:鶴岡 慶子