さいとう ことみ

齋藤 琴美

メゾソプラノ

秋田市出身。
国立音楽大学声楽学科卒業。
第39期二期会オペラスタジオ本科修了。

第1回スカイパーフェクTV!スーパー・クラシック・オーディション合格、地区大会入賞、東日本ブロック大会出場。
第3回バーゼル国際声楽コンクールプロフェッショナルの部入選。
第6回印西国際音楽コンクールアーティスト部門奨励賞受賞。
第4回下田国際音楽コンクール一般部門4位入賞。
第13回下田国際音楽コンクール一般部門奨励賞受賞。
EDIT SIEGFRIED-SZABO国際ヴォーカルコンテスト K部門3位入賞(1.2位なし。)
第46回木内音楽賞受賞。 東京都江東区ティアラこうとう小ホールにてオペラ『蝶々夫人』(スズキ役)に出演。

秋田県内において『フィガロの結婚』(ケルビーノ役)
『ヘンゼルとグレーテル』(ヘンゼル役)
『こうもり』(オルロフスキー公爵役)
『押し花の愛』(たき役)
『ねぶり流し物語』(侍女役)
『魔女の息子』(息子役)
『アマールと夜の訪問者』(母役)
おやこミュージカルに出演。

秋田県立秋田南高等学校吹奏楽部定期演奏会、ニューイヤーコンサートにて共演。
『ウエストサイドストーリー』(マリア役)
『カルメン』(カルメン役)ハイライト。

斎藤洋(ピアノ)氏主催による 『ガーシュイン生誕100年コンサート』『ラテンの世界』『モンポウの世界II』に出演。

秋田大学インフォメーションセンターにて、メゾソプラノのアリアを集めた『メゾソプラノのヒロインたち』を開催。

アメリカ・ニューヨークにてMr.パリネッロのレッスンを受け、オペラ・デラウエア・スタジオにてジョイントコンサートに出演。

2023年8月『齋藤琴美メゾソプラノリサイタル』開催
2024年6月『齋藤琴美・三浦央典ジョイントコンサート』開催
2024年1月 東京オペラシティリサイタルホールにて第3回バーゼル国際声楽コンクール入賞者披露演奏会(東京オペラシティリサイタルホール)に出演
2024年9月 カプチーネ・キアウダーニ マスタークラスに参加、修了演奏会(としま区民センター小ホール)に出演、 など、
県内外において、多数のコンサート、オペラ、ミュージカルに出演。

令和元年度 秋田市立寺内小学校において文化庁文化芸術による子供育成総合事業(芸術家の派遣事業)講師など、幼稚園、小・中・高等学校、一般の団体においての歌唱指導、合唱指導、スクールコンサートに積極的に携わっている。

また、介護施設などで楽しく歌うボランティア活動も行なっている。

現在、二期会会員。 日本ラジオ歌謡研究会会員。
おんぷの会会員 聖園学園短期大学非常勤講師。
秋田カルチャースクール講師。
コール虹指導者。
『花かげ会』楽しく歌を歌う会指導者。
齋藤琴美声楽教室主宰。

中学校教諭1種、高等学校教諭1種免許状取得。
声楽を小野真弓、曽我榮子、藍野流、土師雅人、市川倫子、藤井多恵子の各氏に師事。

【2】

◆…大学はどんなところでしたか?

みんな個性的でした!
声楽の人は特に!

先生たちもすごく目立つ人が多かったです。
ソロは独りで大ホールに声を響き渡らせるわけですから、
目立ってナンボ!
歌ってなくても華やかな人が多いんです。

才能の塊みたいな人もいましたね。
聞いたらすぐそのまま楽器で弾けちゃう人とか
やっぱり全国から集まってくるんだなって思いました。

本当に楽しかったですね。

◆…そこを楽しいと思えたんですね? 大変だったことはなかったのですか?

もちろん、楽しいことばかりじゃないです。

実は、ちょっと喉を壊しちゃったんですね。
しかも それが長引いてとても辛かったんです。

アルトとかメゾソプラノは、低い音が多いんですけど
ある程度 高い声も必要で
その頃、高い声が本当に出なくて苦労しました。

人によって声を出す感覚が違うので
先生は一生懸命に教えてくださるのに
先生のおっしゃっている意味がわからなくて、
発声がうまく出来ず、とても苦労をしました。

◆…どのように克服していったんですか?

先生方は、それぞれ正しいことをおっしゃってるんですけど
なんなら、同じことをおっしゃってるんですけれど、
言い方ひとつで
生徒側の受け取り方も若干違ったりするんです。

あくまでも、先生と生徒の相性の問題ですけどね。

悩んだその時期に
たくさんのボイストレーナーの先生がいる東京にいてよかったです。
いろんな先生に、いろんなアドバイスをいただけました。

時間かかりましたが、そこで声を取り戻せました。

◆…その後、大きく調子を崩すということはなくなりましたか?

声が枯れることはなくなりました。

ただ、声っていつもベストなわけじゃないんですよね。
日々 微調整だなと思ったりします、

若い頃は、力技で歌っていたと思います。
たとえ声が枯れても、若い頃は次の日には治ってたんですが
正しく基本を身につけてやらないと
声ってボロボロになるんですよね。

憧れの人の声を真似するんじゃなくて、
「肉体が違うのだから、声はまったく別」ということをおさえた上で
やり方だけ学ぶことを心がけることがとっても大事だと感じています。

私の声の通り道を自分でもつかめてきたところで、
音が安定してきたのかなと思います。

◆…声の出し方の指導、感覚を共有するのは難しいですね。

そのことがあったから、指導したいなって思うようになったんです。

声が出なくて苦労している人はたくさんいらっしゃいます。

発声練習から指導が始まりますが、
あの時、自分が喉を壊して難儀していなかったら
声が出ないことの大変さがわからなかったと思うんですね。

すごく辛かったんですけど
そのおかげでたくさん学びがあって
今振り返ると、良かったなと思えます。

私と生徒は違う肉体なので

今言ったこと分かる?
今言ったこと、どう思う?って聞いて

なるべく寄り添うようにしています。

例えばお腹から声出すって言ってもできる人は少ないです。
お腹と喉はどうやったら繋がるかとか。
やり方をすこしずつお話ししています。

◆…秋田で活動することになったきっかけはどういうことだったのですか?

大学で4年。二期会研修生で2年、
さらにもう1年東京でボイストレーナーの先生のもとで、
勉強した後、秋田にきました。

秋田で他の学校の友だちとかが、楽しそうに演奏会をしていて
一緒にやろうって声をかけてくれたので、
「必要としていただけることがあるのかな」と思って秋田にきました。

最初は特にお仕事もなくてどうしようと思ったんですけど
いろんな先生や、友だちが心配してくれて
お仕事に誘ってくれたり、生徒さんを紹介してくれたりして、
少しずつ、今の基盤のようなものができていきました。

◆…これが喜びだなって思うことってどんなことですか?

おかげさまで関わってること、全部楽しいんです。

カルチャースクールでは、
歌ってたのしい、スッキリした。
また来週!…っていうのが純粋に楽しかったり。

別の合唱団では、
ステージを目指して専門的にやっていて、充実感があります。

小学校では、卒業式の歌を何回か一緒にレッスンして、
いざ、卒業式で歌っている子どもたちをみて、
お母様たちが感激してくれたりすると
関わってる時間は短いけれど、本当に嬉しいです。

ボランティアで学校や施設に行って コンサートをしたりもします。

初めて声楽を聞くお子さんもいて、
声量にびっくりしたとか、また来てくださいとかお手紙をいただきます。
励みになりますね。

◆…音楽の持つ力ってどんなものなんでしょう?

聞く立場としても
歌う立場としても
いろんなことを感じますが、
なくてはならないものだと思います。

いままでなんとなく聴いてた歌でも
歌は歌詞があるので
こういう時期に聴くと
なんか心に響いたり、元気になったり
音楽があることで前に進めることってあると思うんです。

いま、思い通りにならない世の中ですけれど
なくならないってことは、必要なことのはずだし、
音楽をちゃんとちゃんと楽しめる世の中に戻れると思うので、
それを信じて、またみんなで手をつないでいければいいなって思います。

自分のコンサート、施設、学校訪問、自宅教室、短大、
カルチャースクール、コーラスグループの指導、など、
現在どの音楽活動にも大変楽しく関わらせていただいています。

まだまだコロナ禍での不安はありますけれど、
来年は、これらの音楽活動を
今まで以上に楽しんでいきたいと思っております!

(了)
インタビュアー:鶴岡 慶子
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