Yukari West

ウエスト ゆかり

福岡県生まれ。
高校卒業後渡米。
ワシントン州ハイラインコミュニティカレッジで学ぶ。
2000年からオハイオ州。夫、娘、息子と4人家族。

WestHoneyCompany
蜜蜂ぶん子 裏庭養蜂部in アメリカ
West Honey Company LLC

【1】

Q.アメリカに渡ろうと思ったきっかけは何でしょう?

高校3年生の夏と冬に交換留学をしたのがきっかけです。

幼い頃から留学したいと思っていて高校も英語科に進みました。
父も大学時代に留学経験がありました。
そして(父は)青年海外協力隊だったので、海外の話をよく聞いていたんです。
フィリピンやメキシコ、一番長かったのがオーストラリアだったようです。

海外の話をよく聞く環境にあったから抵抗はなく、むしろ憧れが強かったと思います。

実は私の名前「ゆかり」は、
両親がオーストラリア時代に住んでいた家の庭にあった大きなユーカリの木が由来です。

Q.ご両親も応援してくれたんですね。

最終的には両親とも応援してくれましたが、最初 母は大反対でした。

母は幼稚園の先生で忙しく(家にいなかったので)祖父母と一緒に過ごす時間が多かったんです。
兄は、家の中で静かに過ごすタイプでしたが、
私は家の周りで走り回って虫を捕まえたりする子どもでした。
自分で面白いことを見つけて、とことん遊ぶような生活です。

一度決めたら曲げない頑固な性格を、母もよくわかっていたのでしょうね。
最後は「そこまで行きたいのなら頑張って行っておいで」と送り出してくれました。

Q.アメリカに渡る時のご自身の英語の力はどうでしたか?

留学するにはESL*をクリアする必要があります。
まずはESL*の単位を取得して、大学に入りました。

高校が英語科でしたし、会話の勉強もしていたので、不自由はしなかったです。

ESL*英語を母語としない留学生が英語力を補強するために履修する科目

Q.そこでご主人と出会うのですね?

そこにいました(笑)

たまたまカフェテリアの席が一緒になったんです。
ランチタイムは多くの人がいて、相席になることもあるんですね。
そこで隣にいたのが夫です。

夫は日本にいたことがあって、少し日本語を話せたので、すぐに友だちになりました。

大学はワシントン州でしたが、
夫がオハイオ州出身で、家業を継ぐために卒業とともに帰ることになりました。

私も学校を卒業して2000年にオハイオ州に引っ越したので、ここでの生活は、23年目です。

日本での生活よりも長くなりました。

Q.文化の違いなど、苦労することはありましたか?

カルチャーショックはあまりなかったと思います。

びっくりしたのは食事の量ぐらいでしょうか。
例えば、ヨーグルトでも、日本の3倍ぐらいの大きさで、
それだけでお腹いっぱいになっちゃったり、
ファストフードでドリンクを飲もうと思ったらバケツぐらいの大きさだったり!

でも今は食べられちゃうんですよね(笑)
それで体型が変わったか?というと、日本にいた時の方がふっくらしていました。
こちらの食事も文化も合っていたのかもしれません。

ただ、出産は大変でした
日本と違って、2日で退院するんです。

身体の回復も追いつかないし、
家業で忙しい夫の家族の手を借りるのも難しかったし、
日本から私の母は来ていなかったので、大変でした。

ただ、夫が会社経営者だったから、恵まれていたと思います。
子どもが5歳になってプレスクールに通うまでは
お仕事をお休みして、家事や育児に専念できました。
柔軟な働き方ができて、育児も仕事もバランス良くできてよかったと思います。

夏は湿度が高く暑いので、日本に似ていますが
福岡と違うのは、冬は雪がすごく積もって
気温は氷点下5度ぐらいまで下がりますから、道が凍ることです。
オハイオは秋田県と同緯度で、夏が短くて冬が長いのです。

いまだに慣れないのは、この冬の気候ですね。
冬の運転は23年経った今でも怖いです。

Q.家業が養蜂だったのですか?

家業はプラスチック押出成形会社でした。

工場は一番大きかった時でスタッフが30人ぐらいいたので、大きな会社でした。
私も事務関連の仕事を手伝いました。
お客様からのオーダーを聞いて伝票にしたり、経理の仕事をしたりしました。

養蜂は夫が趣味で始めたものです。
今は、夫がレストラン経営に転換して、養蜂は私がやっています。

Q.ご主人が養蜂を趣味にするきっかけは何でしたか?

以前住んでた家に古い車庫があって、壁の間にミツバチが巣を作っちゃったんです。

その時はミツバチの知識が全然なかったので
近所で養蜂をされていた方に来てもらいました。

壁を外して、ミツバチを箱に入れる様子を私たちは遠くから見ていたのですが、
夫が面白い、やってみたい!と言い出したのがきっかけでスタートしました。

夫はもともと趣味が多い人なので、趣味がひとつ増えた感じです。

その近所で養蜂をされている方は
たまたま近くの高校の生物の先生だったこともあって、丁寧に教えてくれました。

これが2014年なので、まもなく10年です。