岩手県出身。東京在住。
役目を終えた手ぬぐいや着物、旗などの古布に新しい命を吹き込む。
2022.Japan Expo Paris 出展
2024.Vancouver fashion week 出品
https://www.meihana.jp/
@meihana_atelier
【2】
◼️…この春はカナダでのショーに参加したとのこと、きっかけはどういうものでしたか?
SNSでフォローしているデザイナーさんが、
カナダのショーに出た投稿を見て
こういう世界もあるんだな、どうすれば出られるのかなと思っていたら
先方からオファーのご連絡をいただくという
奇跡のようなことが起こったんです。
◼️…どうしてそんなことが起こっちゃうんでしょう?
月並みですが「断捨離」の効果なのかもしれません。
今の仕事を始める前は
ミニマリストのような生活をしていたのですが、
この仕事をするようになってからは
どうしても材料や在庫を持つようになりました。
少しでも材料を無くしたい、物を減らしたいという気持ちが
仕事の原動力になっています。
なるべく少ない量で必要なものだけで暮らすようになってからは、
そんなにこうしようと強く思っていなくても
今の自分にとってベストなところにたどり着けるようになったので、
自然の流れに委ねるようにしています。
◼️…いつ頃から準備をしたのですか?
最初は昨年の10月に出展する予定だったのですが、
4月に先送りすることになりました。
10月だと春夏コレクションなので、
最初は春夏もので準備をしていたのですが4月になったので、
今度は秋冬コレクションとして再度構成し直しました。
お話をいただいてからトータルで1年以上準備に時間をかけました。
◼️…(カナダには)どんな作品を持って行ったのですか?
自分が使ってる素材を全部一通り使って、16着持って行きました。
手ぬぐいや着物、風呂敷、広告旗や大漁旗を使ったものです。
ファッションショーの運営会社の方が
「弊社にはいろんな国のスタッフが在籍しているけれど、
どの作品も素晴らしいと言っているので、
どんな作品でもいいからあなたの選んだものを持ってきて!」と言ってくださったので、
背伸びせずいつも通りの自分でいこうと思いました。
◼️…どんな演出にしたのでしょうか?
一番最初の衣装はトランスフォームといって、変化する衣装を用意しました。
最初は白と黒のシンプルな衣装で登場して、
振り返ると華やかな着物柄に変身するという演出でした。
そのシーンがとても印象的だったと会場にいたお客様や
SNSのフォロワーさんからたくさんの反響をいただきました。
◼️…ご自身は、カナダでのショーに参加していかがでしたか?
パリの時は日本が大好なお客様向けのイベントでしたが、
カナダは世界中のデザイナーが集まるショーだったので
パリとは違う反応を感じました。
カナダは、ダイバーシティー(多様性)の強い国で、
どこに行っても現地の方が優しくて、
モデルさんたちも親しみやすい方ばかりでした。
日本の文化というものに初めて触れたという方もいたようで、
ショー後の交流の時間にはたくさんのお客様から賞賛のお声をかけていただきました。
ショーの後には動画や写真を撮っていたお客様が
たくさんSNSにアップしてくださって、
一夜にして海外の方たちと話したりメールをしたりすることが当たり前な環境に変化しました。
◼️…作品を仕上げていくときにこだわっていることはどんなことですか?
その作品にもよリますが、和風になりすぎないようにしています。
海外のお客様など、和柄のリクエストがあればもちろんその限りではありませんが、
昭和の頃の遊び心があるデザインやレトロポップな雰囲気が好きなので、
和なのに洋風にも見えるとよく言われます。
◼️…どんなお客様が多いですか?
古い物が好きな方や物を大事に長く使いたい方、
周りとはちょっと違う一点物が好きな方が多いように思います。
また、イベントに参加される方などは、
着ているといろんな人に声をかけられるとのことで、
話のきっかけを作るお手伝いもできているようです。
既製品では満足できないという方は、オーダーも受けています。
一度自分の思い通りの服を作るとやはりお気に入りの一着にしていただけるようです。
◼️…オーダーはDMで受け付けているのでしょうか?
インスタグラムのDMから、お問い合わせをいただくことが多いですね。
今までの私の作品の「このイメージでサイズや色合いをもうちょっとこんな感じで」という形でのオーダーや、
ご自身で集めた手ぬぐいや生地を使って作ってほしいというご依頼もあります。
◼️…大漁旗が服になるとは思いませんでした。
大漁旗はカラフルな色合いや縁起のいい柄が多いので人気があります。
今までにワンピースやパンツやオールインワンなどいろいろなアイテムを作りました。
◼️…これからどんな展開を考えていますか?
カナダのショーを終えてひとつ大きなことをやり遂げた気持ちがあるので、
今は少し今後について模索する時間にしています。
ただ、ミニマムでありたいという思いはあるので、
たくさん作って多くの人に届けるというよりは、
必要なものを必要な分だけ作るというスタイルに近づいていけたらとは思っています。
自分にしか作れないものや自分にしかできないことで
お客様やSNSのフォロワーさんに楽しんでいただくというのが目標です。
今までもそうでしたが、
流れに委ねることで自分で考えるより遥かに大きな、
思ってもみなかったことがやってくるので、
それを見逃さず受け取れるようにアンテナを張り続けていたいと思います。
(了)
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