たぐち みか
田口 美香
【1】
◆…どのようなきっかけで美容業界へ進んだのですか?
父が美容ディーラーを営んでいたので、
幼い頃、一緒に美容室に行くことがありました。
その時間がとても楽しくて、美容師さんに憧れました。
それでも、結局は美容師にはならず(笑)
親が営む会社(株式会社アープ)に 事務員として入社しました。
◆…初めは今の働き方とは違ったんですね
最初は”総務”として入社して、
仕入れや、倉庫整理、POP作成などをしていました。
人前で話すことは得意な方ではなかったですし、
学生時代にビジネス商業経済コースを選択していたこともあり、
営業を仕事とすることは考えていませんでした。
逆に、営業は畑違いと思うほど。
でも毎日営業の方たちの日報を聞いたり
メーカーさんから情報を得てサロンさんのために仕事に励む姿を見て
「楽しそうだな~」と思うようになっていました。
その後、化粧品分野も本格的に取り組むことになりました。
女性が私しかいなかったので
必然的に化粧品分野の担当になり
営業 兼 美容部員の仕事内容に切り変わっていきました。
◆…実際に外に出るようになって、どう感じましたか?
毎日の達成感が変わりました。
自分の担当サロン様への営業をしながら
他の営業担当のサロン様にも携わったり…。
化粧品メーカーのインストラクターとして一人で東京出張をしたり、
県外のサロン様に社長と共に営業に行かせてもらったり、
先輩営業の方々に同行しながら
至るところでサロン講習会をさせていただくなど、
とにかくとにかく 働いてました(笑)
正直疲れはしましたが、
「(お客様が)キレイを体感する」と とっても喜んでいただけるので
それを超える感激・感動があって
常に達成感があり充実していました。
それから自信も生まれました。
美容師さんのお悩みを聞きながら、
商品のお話をして 時折、自分のことを話したりするんですが、
長くモダンバレエやっているという話をすると
「仕事をしながら続けてるのってすごいね」と言われるんです。
実は、小さい頃は周りにバレエやっている人が少なくて、
(バレエをやっていることが)恥ずかしいという気持ちもあったのですが、
社会人になってからは 堂々と言えるようになりました。
私の中では(バレエは)生活の一部になっているので、
特別すごいことじゃないし、
誰でもできるんじゃないかって思っちゃってたんですが、
「 継続は力なり」ということなのでしょうか。
仕事しながらバレエも続けていくことに
自信を持っていていいんだ!と思えました。
◆…舞踊歴37年ですか? すごいことだと思います。
振り返ると、バレエのレッスンをする中で
美しさを表現することを学んできたのだろうと感じています。
化粧品の伝え方でも、
女性の方にキレイになってもらう、
キレイになれるんだと信じてもらうには、
やっぱりこちら側の伝え方がすごく大事で、
気持ちの表現方法は、バレエで培われたものも大きいなと思います。
◆…バレエは切り離せないものなんですね。
絶対離せないものですね。
バレエが私。私がバレエ。(笑)
バレエをやめるのなら仕事続けられないんじゃないかっていうくらい、バレエが好きです。
いずれ「バレエ×美×健康」をうまく融合していきたいし、
それが私らしく美容業界に貢献していくことかなと思います。
◆…メイクアップアーティストとしてもキャリアをスタートしたそうですね。
私がメイクをして差し上げることができるのはもちろん、
美容師さんにメイクをお伝えすることもできるかもしれないし、
一般のお客さまにもお伝えできるかもしれないって思って資格を取得しました。
先日は、成人式のメイクをお手伝いしました。
美容師さんと一緒に仕事できることは、とても嬉しいことです。
一般のお客さまを目の前にして
憧れの美容師さんと一緒に仕事ができた時は感動しました。
◆…メイクの仕事の面白さはどの辺にありますか。
心から「ありがとうございました」と言ってもらえる仕事だということですね。
お客さまは最初「(あまり期待せずに)おまかせします」と言うことがよくあります。
「おまかせします」っていうのは、情報が少ないだけなんです。
どうしたらいいかことばにできなくても
「こうじゃない」って感じは持っているものです。
だから
普段何が好き?
どういう色が好き?
成人式の振り袖は何色なの? と聞いていくと、
ちゃんと話してくれて、
そこからメイクの形を探っていくと
最終的にすごくキラキラした顔になるんです。
皆さん「本当にありがとうございました」って言ってくれます。
あぁ美容室の仕事って
こういうことが溢れているんだよなぁ!って思いました。
メイクの仕事を通して、
美容の仕事ってなんて素敵な仕事なんだろう!って改めて感じています。