• 後編

しおた このみ

塩田 好美

花アトリエ pianta del fiori 店主
秋田県横手市十文字出身。
大学進学のため上京。
家政学科に学び、吉忠株式会社に勤務。
東京銀座の百貨店などで空間プロデュースに携わる。
フラワーデザイナーの空間づくりの素晴らしさに
触れたのをきっかけにフラワーアレンジメントの世界へ。
都内での活動を経て、
2003年 pianta del fiori( ピアンタ デル フィオリ)オープン。

花アトリエ pianta del fiori
横手市十文字町字西上2-10
0182-42-4785
https://www.piantadelfiori.com/

【2】

●‥‥小さい頃からお花は好きだったのでしょうか。

母がお花の先生をしていたので、そういう環境にはありました。

ただ、それほど好きだったか?というと そうでもありません。

かわいい花を見つけて、摘んで帰って

母にプレゼントするぐらいなものでした。

●‥‥どんな形で「花」と出会ったんでしょうか?

大学進学で上京して、卒業後は大きな会社に入社しました。

大学は家政学科だったので、布がメインだったんですけれど

就職した吉忠株式会社では、マネキン事業部に配属になりました。

そこで、東京有楽町や数寄屋橋の阪急百貨店で

空間プロデュースに携わりました。

とっても面白い仕事でしたねぇ。

ある時、…..あれは春でした。

花いっぱいにディスプレイしたデザイナーがいて一目惚れしたんです。

もう魔法を見てるみたいで!!!

ミラクルな作業だ!と思いました。

そして、仕事をしながら、フラワーデザインの学校に行くことにしました。

それが始まりです。

●‥‥学校ではどんなことを学んだんですか?

学校では、デザインの基本を徹底的に学びました。

花の丈のバランスとか、器との関わりとか…。

目が慣れるまで徹底的にたたき込む感じです。

そこを終えた後、

フラワーコーディネータを探しているっていう方がいて

そのご縁で花の仕事がスタートしました。

そこから花一筋。30年です。

●‥‥ピアンタ デル フィオリを開店したのは、2003年 ですね。

都内では、フリーで活動していました。

マンションやレストランに飾りに行ったり、

ブライダルブーケを作ったりしてました。

秋田でも そんな活動を少しした後、開店しました。

●‥‥お花を保管する冷蔵庫がないんですね!?

冷蔵庫にお花が入っていて、足元はコンクリート。

店員は長靴にエプロンという姿は、冷たい気がしちゃうんです。

お花は、そこのお宅に行った時の温度で美しく咲いてるっていうのが絶対いいんです。

私たちも冷房の部屋から暑い外に出るとぐったりしちゃいますよね。

店内の温度は低めですが、あったかい感じにしたかったんです。

お部屋の中に花があるみたいな形にしています。

●‥‥クラフトも充実していますね。

花クラフトはいろんなジャンルで展開しています。

木の実も好きです。リースやブローチ、コサージュ。サシェ…。

レッスンも充実しています。

「花遊びレッスン」っていってますが、

「こんな感じを作りましょう」って提示した後は、花と遊んでもらいます。

花には動きがありますので、思うようにいかないこともあります。

そんな時は、花の気持ちにまかせちゃいましょう!

花と対話しながら進めてもらってます。遊んでもらうんです。

●‥‥お花のある生活ってなんでしょうか?

お花を飾ると平面的な空間が立体的になると思うんです。

五感が疼く(うずく)ような空間になるんですね。

香りも良くなるし、

色が出てくるし、

変化もしてくる…。

そういう感覚を気づかせてくれるのが花だと思います。

●‥‥花にはそういう力があるということですね。

何もない空間では会話がなくても時間が過ぎちゃいますが、

お花があることで「綺麗!」とか「咲いた!」とか

花を通して言葉が出てきます。

空間が生きてくる….。潤ってくるんじゃないかな。

お花は生き物。

造花もドライフラワーも花で、それはそれで好きですが、

その瞬間その瞬間 変わっていく生花が一番好きです。

よく枯れていく花が嫌だとか長く保つ花がいいとかいうけれど、

枯れていくのもストーリーだなって思うんです。

そういうのが生きている証拠だし、

そういうことを実感しながら共に花と生きていく…

そんなライフスタイルの提案をしていきたいです。

(了)
インタビュアー:鶴岡 慶子
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