よねや さとこ

米屋 智子

1982年秋田県秋田市生まれ。
北海道浅井学園大学(現 北翔大学)生涯学習システム学部 芸術メディア学科 卒業。
北海道を代表するグラフィックデザイナーである、故 池田信 氏にグラフィックデザインを学ぶ。
その後、就職活動に失敗し心やぶれ帰秋。
デザインや芸術の世界と全く関係のない職に就き、結婚、出産。
出産後(2013年)にとてつもない創作意欲に襲われ、突如消しゴムはんこに 目覚める。
以降は徐々に作家として活動の幅を広げ、自らの世界も広がり、人生の大転換を迎える。
2018年からは、それまで趣味のようにしていたチラシ作りを仕事にし始める事でグフィックデザイナーとして活動をはじめる。
2020年にはライティングを学び、より深くクライアントの心を理解するためのに努力の日々。
「想い」を大切にする方々に支えられ、はんこもデザインもますますやる気!
趣味:家庭菜園、保存食づくり
休みの日にする事:草むしり、長風呂
興味のある分野:ナチュラル、オーガニック、農業、手仕事、お笑い、システマ

sato工房
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【2】

◆…ハンコ以外にも手がけているんですね。 

周りにイベントをやろうっていう人がなぜか多くて。
デザインソフトがパソコンに入ってたので、
協力する形でチラシを作り始めました。

それがずっと長く続いて、量も回数も増えてきたので、
デザインも仕事にしてみようと思いました。

それが4年前、個人事業主としてスタートです。

現在、同じ個人事業主さんのリーフレットや、
ロゴマークデザインなどの仕事を頂けている状態です。

「印刷物を作りたいけど、なにをどうしたらいいか分からない」という方にご相談いただくケースが多いです。

◆…写真やライティングも勉強しているのですか? 

写真については、リーフレットに載せる写真を自分で撮れるなら
役に立ってるだろうなと思ったのがきっかけです。

ただ、カメラ買ったはいいけど使い方よくわからなかったので
上手な人に教えてもらいながら、
あとはお客様に了承をいただいて経験を積ませていただいている状況ですね。

少しでもカメラに触らないと感覚が鈍るので、
日常的に写真を撮るようになりました。
撮影した写真は主にインスタグラムにアップしています。

ライティングについては、
例えばチラシを作るとき、 お客さまに文面をお願いするより、
文字数の関係で自分で考えたほうがいい場面もあるし、
文章を考えるのが苦手な方も多いので、
情報を整理する能力をもっと高めたいと思って勉強をしました。

お客様の強みを把握して、
こんな風にご自分を表現されるといいですよ。っていうご提案もできるようになりました。

文章を作る時(デザイン全般でもありますが)
お客さんの考えていることと、
自分の考えていることの波長を合わせていきながら、
文章の流れ、言葉のリズム、雰囲気、
どう表現したらいいかを大切に構成しています。

◆…どんどん武器(!)が増えますね。

気付いたら手持ちのカードが増えちゃいました(笑)

お客さまが求めているものに向かって勉強するということを繰り返して、
ずっと積み重ねてきた感じですね。

やった事がない分野にも結構簡単にチャレンジしちゃうんです、私。

やってみなきゃ何も進まないし、
やらないと見えてこない景色があるから、
やりたいと思ったことはどんどんやるようにしています。

以前、壁に絵を描いて欲しいという依頼がありました。
全く未経験の事でしたが、依頼してくれた方が
「さとこさんに描いて貰いたいの!」という想いを持ってのことが伝わって来ました。

そういう想いに応えたいから、
不安に逃げずに四の五の言わずにやってみようと思いました。

とにかく求められたら、その想いに応えていきたいんです。

できるなら期待値を越えて応えていきたい。
そういう想いだけでやっていて、チャレンジの繰り返し。
そして気付いたらいっぱいカードが増えちゃったのかなと思います。

◆…カードが増えすぎて迷うことはないでしょうか。

結果として、カードが増える分だけ自分の存在意義、自分の喜びとすることが増えてきました。

増えた分だけ掛け合わせる事もできるので、創作の可能性は広がりますよね。

そう考えると凄くワクワクします。

それが人に喜んでもらうこと、
人の役に立つことにつながっていくことであれば、
ツールは何でもいいのかなっていう気がします。

◆…“米屋さん”だから依頼するんですね。米屋さん自身が作品なんじゃないか?と思えてきました。 米屋さんにとって初めてのことも依頼があって、さらに米屋さんのカードが増えていくという気がします。 そこは、ご自身ではどのように感じてますか?

初めてでもチャレンジさせてくれる器の大きな方がお客様でいてくれるってかなり大きい気がしています。
本当に感謝しかないです。

私自身の特性としては、共感力が強いような気がしています。
理屈とか理論じゃなくて感情が流れ込んでくる感じ。
打ち合わせの時に胸が熱くなることも結構あります(笑)

だから、人の想いを誠実に受け止めて、たくさんある情報をろ過して、
なるべく純粋化して出力するようにしています。
受け取る側の心理を無視する事なく。

私は決して、芸術家ではないし、
デザイナーって言われたらその言葉の強さに気おくれしちゃう感じで、
日々発信するインスタグラムFacebookの投稿は飾らずに書いています。

その投稿を見て、「米屋さんから自分はどう見えるのかを知りたくて作品を依頼しました」と いう方もいました。
とっても嬉しかったですね。

とにかく仕事に関する事は誠実でありたいと思っています。

デザインに関してもハンコ制作にしても、
「流行っているから」「それっぽいから」それでいいという
上辺だけのものは作ろうと思ってもできないんです。

ハンコにしても、一個一個違うからこそ伝わる体温があるし、
捺す人の姿が見えるじゃないですか。
それって最高のメッセージだと思うんです。

手で捺すからこそかすれたり、
ちょっとずれたりとか、それが味になるんです。

ただモノができればいいじゃなくて、
ただチラシができればいいんじゃなくて、
「そこにちゃんと人がいるんだよ」という
想いが見えるモノづくりをしていきたいと思います。

お客さまと一緒に作り上げる、伴走者として一緒に育てていく感覚で。

(了)
インタビュアー:鶴岡 慶子
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