• 後編

さとう そのこ

佐藤 園子

訪問介護事業所管理者・介護士・介護タクシー運転手。
秋田県井川町出身。由利本荘市在住。
東北福祉大学 産業福祉学科で会社の衛生管理・食品衛生管理を学ぶ。
介護福祉士、児童福祉士、社会福祉主事任用資格取得。
中学・高校時代は吹奏楽部所属。
高校時代は3年間全国大会出場の強豪校。
担当楽器はホルン。
夫、娘と3人家族。

【2】

●‥‥介護タクシー運転手になって何年ですか?

7年目になりました。

介護業界には、長くいるんですが、
これまで、仕事の形は変えてきています。

出産前は、施設勤務でした。

施設勤務は、泊まり勤務もあるので、
出産をきっかけにデイサービスに勤務を変えました。
朝起きて、娘を送って出勤し、
退勤して、娘を迎えに行って帰宅という毎日で、
施設勤務と比べると、介護量は減りましたが、
働くママとして、我ながら頑張っていたと思います(笑)

娘が大きくなって部活(バスケットボール)を始めることになって
土曜日曜の休みが必要になったことで、
今の仕事に変わったんです。

今、介護タクシー運転手をしていますが
この仕事は、
今、自宅で過ごしている人が
ずっと自宅で生活ができるようにお手伝いできる仕事だと思います。

●‥‥人手不足といわれる業界ですが、どんな人に仲間になって欲しいですか?

最近は、かなり勉強して入ってくる人が多いです。
でも、いろんな知識があっても
現場ではその知識は意外と通用しなかったりするんです。

私がそうでした。

結局”人”なんです。

その人を知ろうとする人。
その人の生活の一部に自分がなりたいなって思えるような人。

そういう人と一緒に仕事ができればいいですね。

●‥‥向き・不向きってありますよね。

私がやってるくらいだから、みんなやれると思いますよ。

●‥‥いや、それこそ”人”ですから、難しいでしょう?

最初は私も、利用者さんとの距離感がなかなかつかめなくて
ストレートすぎたり、
一方で遠慮しすぎたり、ということがありました。

いろんな人と関わっていきながら、学んできました。

知識は十分に蓄えている人が多くなっているので
すぐに力を発揮できる人たちが入っています。
加えて、一緒に現場で経験を積んでいけたら楽しいなと思います。

相手の懐に入り込めた時の喜びは大きいです。
その嬉しさは半端じゃないですね〜。

「利用者さんと一緒に生きる」という気持ちがある人が
お仲間になってくれたら嬉しいです。

●‥‥(利用者の)懐に入り込めたら会話も弾みますね。

(介護タクシーに)乗り始めは心が沈んでいても
降りる頃には気持ちが楽になっていたらいいなと思います。

以前、終末期の
一回乗せた後 すぐ亡くなった方がいたのですが、
その方が車内で、
「私はもうすぐ死ぬんだけれども
短い時間でも、こうしてあなたの車に乗れて良かった」
ってお話されたのが ずっと忘れられないんです。

そう言われたいから 仕事をするわけではないけれど、
そう思われるような仕事の仕方をしていきたい
そう思ってもらえるような運転手でいたいと思います。

(了)
インタビュアー:鶴岡 慶子
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