東京都生まれ。
幼少期からサッカーを軸とした生活を送り年現役引退。
現在は、ロゴ、チラシ、名刺、パンフレット、Webデザインなどを手掛けている。meU design 代表。
@meudesign_official
earthrhythmmarket.com
@earth_rhythm_market
東京都生まれ。
幼少期からサッカーを軸とした生活を送り年現役引退。
現在は、ロゴ、チラシ、名刺、パンフレット、Webデザインなどを手掛けている。meU design 代表。
@meudesign_official
earthrhythmmarket.com
@earth_rhythm_market
◼️…最後のチームは男子チームだったのですか?
現役最後は、男子チームでGK(ゴールキーパー)をしていました。
社会人になって、女子のクラブチームに所属していましたが、
レベルアップを目指して模索していた時に、
恩師の一人が、「お前だったら男子でやれると思うから挑戦しに来い」って言ってくれて
自分のステップアップにはなるかなと思って、そのチームに飛び込みました。
女子が男子に混じってプレーをすることはありますが、
男子チームに所属するのは、日本では初だったようです。
公式戦にも3回出ました。
◼️…ポジションはずっとGKですか?
ずっとFW(フォワード:前衛。攻撃ポジション)だったのですが、怪我をしちゃったんです。
その後、キーパーに転向しました。
足首の外側の骨折でかなり大きな怪我でした。
サッカーを辞めて、サポート側に回ろうと思って
大学進学なども考えたのですが、結局、柔道整復師の専門学校に入りました。
ただ、自分はサッカーしかしてこなかったし、
自分からサッカーを取ったら何が残るんだろう?という思いが強すぎて
(柔道整復師の)専門学校での成績もあまりよくありませんでした。
そんな時に、女子クラブチーム関係者から
「もう一回挑戦したらどうだ」とお話をいただいて復帰することになるのですが、
怪我のリハビリが追いつかず、長時間走るのに耐えられる体ではなくて、
お医者さんやチームと相談して、
動きとして若干負担は減るGK(ゴールキーパー)で、復帰することになりました。
◼️…ポジションを変えるのは大変な決断ですよね。
GKは、全く違う競技をしているような感じでした。
唯一手を使えるポジションですし、ユニフォームも違います。
チームとして勝っても点を入れられることもあるので、
その時の自分の気持ちの保ち方が難しいと思いました。
自分の後ろはもうゴールしかないので、プレッシャーが半端なかったです。
GKを経験したからこそ感じることですが、
GKでチームは勝つか勝たないかが決まるぐらい大事なポジションだと思うんです。
チームにエースがいることは大事ですが、
GKがフラフラしていたらチームは成り立たないですね。
◼️…良いキーパーであるためになさっていたことはどんなことでしょうか。
GKからの指示で全体が動くので
特に指示で動いてくれるDF(ディフェンダー:守備ポジション)と
どれだけの信頼関係を持てるかが大事です。
良いGKとして活躍されている人は、
プライベートでも信頼されるような人なんですね。
私もいかに自分が自然体でいるかを大事にしていました。
自分の弱い部分や、メンタルが落ちてる時は、強がったり格好つけたくなるけれど
そうではなくて、自分の気持ちをさらけ出して、言い合ったりできる。
究極、仲間の前で大泣きできるような関係が大事だと思うんです。
最後に所属した男子チームでも、さすがに泣いたことはないのですが、
仲間とはプライベートでも仲が良くて
身を預けられるような信頼関係があり、家族のようでもありました。
◼️…引退を決めた時はどういう気持ちでしたか。
本当はプロリーグに行くのが目標だったのですが、
去年(2023年)4月アキレス腱を切ってしまったんです。
男子チームである程度土台を作って、自分に自信がついて
ちょうど新しいチームに行く、よし、じゃあここからだ!っていうタイミングでの大怪我でした。
1年間はサッカーができないことが確定になった時に、
自分の競技が上手くいかない分、並行していたデザインの仕事に集中していきました。
また1からトレーニング積んでいくぞという気持ちと
体力と技術を持っていくことの大変さを考えながらも
自分としては前向きな気持ちで、リハビリ以外の時間をすべてデザインに費やしたんです。
そんな時、私がやりたいと思っていたデザインのご相談を頂いたんです。
選手生活とデザインの仕事を並行でやってきたのですが、
選手生活を続ける選択肢が小さくなるぐらい、
(その仕事は)良い意味でベクトルが重かったので、
サッカーを辞めてからの人生のことも考えるようになっていきました。
そのお仕事は、怪我から復帰して選手を続けるのかを待ってくださる時間の猶予もあったので
ギリギリまで辞めることは考えず、とりあえず復帰する形で最大限の力を注いで、
復帰するタイミングで自分がどうありたいか、
自分がどう進んでいきたいかを決めようと考えました。
2023年シーズン最後の試合が、ちょうど復帰と重なって
その試合が終わった瞬間にやりきったなっていう気持ちがよぎったので、
監督とコーチ、関係者の皆さんに引退のご挨拶をしました。
その時に監督が
「自分でやり切ったっていう感情があって引退をするなら心から応援したい」
と話してくれました。
まさにそうだなと思ったんです。
多くの選手は、次の進むべき道が分からなかったり、
どこでやり切ったと感じるのかが曖昧で、辞めるべきタイミングがわからなかったりします。
自分のやりたい道が決まっていて、
そこに進む進もうという意思があることは、
ありがたい環境にいるのだと強く思いました。
◼️…そしてその仕事は今も続いているのですね?
大きなクライアントの一つです。
社長さんが元々サッカーをなさっていてアスリート好きだったり、
その企業で扱っている商品が
「「自然」とともにいる」という私自身のライフスタイルや
私のデザインのテイストとうまく合致したということで
いろんな視点から認めてくださったのだろうなと思います。
基本的にはSDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の項目に当てはまるものを解決して
いくようなもの。
途上国支援の商品や、日本の伝統や文化、環境を次世代につながるような取り組みをしている企業さんです。
デザインで関わるのは、
商品を売っていくためのタグやロゴ、POPのデザイン、告知画像など、多岐に渡っています。
◼️…プレッシャーはないのですか?
選手の時の方がプレッシャーはありました(笑)。
選手の時は「優勝する」ことに対して日々練習していて、それは形があるようでいてない。
一方で、デザインは、企業(ご依頼主)の課題や目的に向かって進めていくものなので、
形があるんですよね。
自分がやるかやらないかなので、
そういう意味ではプレッシャーはあまりない気がします。
◼️…選手との掛け持ちはやはり難しかったでしょうね。
時間的なことで言うと、本当に難しいですね。
選手だった場合、睡眠が命という部分もありますが、
クライアントさんにとってはそれ(依頼内容)が命なわけですから
急ぎの案件が入った時に「睡眠が第一優先です」って言えないですからね。
やはり選択が必要でしたし、
デザインに振り切ると決断した時から全くブレることなく、
この選択で正しかったと思います。
◼️…スポーツ選手のセカンドキャリアについてはどう考えますか?
私は、たまたまやりたいことがあったタイプなので、
おそらく私はお手本にはならないと思いますが、
自分が充実してるからこそ、
現役選手たちに伝えられることがたくさんあると思っています。
今、新しい道で充実した生活を送っていて、
サッカー協会や、女子のアスリート協会から
セカンドキャリアに対して相談窓口なってほしいというお話も頂きます。
引退はしましたが、まだまだ片足突っ込んでるなという感じはあります(笑)。
何か一つ現役選手に言えるとすれば
競技に100%集中してチームに貢献してほしいということです。
現役中は無理にやりたいことを見つける必要はないと思うんです。
100%チームのために優勝を狙うっていうのが直近の目標だと思うので、
そこに対して何ができるかをまず考えていくことなんですね。
その中で1日1時間でいい、
社会人として最低限やっておくべきことを学ぶ。
それでいいと思うんです。
スポーツ選手は、スポンサーさんもいますし、
一般の方にが繋がれないような方との繋がりとかもできたりするので、
それは、かなり強みにはなるんですね。
監督やコーチ、社長など、相談できる人はたくさんいるし、
誰に相談するかっていうところさえ間違えなければ大丈夫だと思います。
◼️…今後どんな活動をしていきたいですか?
アースリズムマーケットというイベントを定期開催しています。
最初は7人で始めたゴミ拾いイベントでした。
コロナ禍でもありステイホームと言われた時期に、
人とのつながりや社会にどう貢献していくかと考えて始まったものでした。
私が参加したのは第2回目からで、
トークショーに登壇させていただいたんです
選手だった時、食の大切さをすごく実感していて、
アスリートからみた食というテーマでお話ししました。
株式会社アースリズムの代表が思い描くゴールと
私がアスリートとして思うゴールが一緒だったので、
今は私も役員の一人として関わっています。
今年(2024年10月開催)は3000人規模のイベントに成長しました。
環境にいいもの=体に良いものと紐付けて
マルシェっていう形で飲食店や、雑貨を扱ってる方、
手作り、ものづくりの出店者さんを募って開催しています。
環境のことを常に考えている人や、
お子様に対してアンテナを張ってる人はもちろんですが、
関心はあまりなくても、このマルシェに足を運んでくださる方が増えて
地球にとって、自分にとって、優しい選択を持つきかっけになってくれたら嬉しいです。
セカンドキャリアで充実している人が一人でも増えたらいいですね。
スポーツの業界にいるので、
セカンドキャリアについては誰もが直面することですが、
私はデザインや人との繋がりで
彼ら、彼女らの事をどこかで手助けできると思います。
私が技術を積んでいろんな仕事をこなしていくことで、
最終的なゴールがそこに繋がっていったらいいなと思っています。
彼ら、彼女らがやりたいことが見つかって、起業したいとか、
こういう商品を売り出したいから世の中に広めていきたいとか、
そういう課題が出てきた時には、(私の得意とする部分)ゼロからイチを作るところで、
出来る限りサポートしていきたいと思います。
(了)
Copyrighted Article. Do not reproduce without permission.