メゾソプラノ 齋藤琴美(さいとう ことみ)

国立音楽大学 声楽学科 卒業。
第39期 二期会オペラスタジオ 本科修了。

第1回 スカイパーフェクトTV!クラシックオーディション合格。
東京都江東区民オペラ『蝶々夫人』(スズキ役)に出演。
アメリカ・デラウエア州で、ジョイントコンサートに参加するなど、
県内外に於いて多数のコンサート、オペラ、ミュージカルに出演。

現在、県内を中心に、幼稚園、
小中高等学校に於いて声楽、コーラスの指導に力を入れている。

二期会会員。
聖園学園短期大学非常勤講師。
秋田カルチャースクール講師。
コール虹指導者。
全国ラジオ歌謡研究会会員。
齋藤琴美声楽教室主宰。

【2】

◆…大学はどんなところでしたか?

みんな個性的でした!
声楽の人は特に!

先生たちもすごく目立つ人が多かったです。
ソロは独りで大ホールに声を響き渡らせるわけですから、
目立ってナンボ!
歌ってなくても華やかな人が多いんです。

才能の塊みたいな人もいましたね。
聞いたらすぐそのまま楽器で弾けちゃう人とか
やっぱり全国から集まってくるんだなって思いました。

本当に楽しかったですね。

◆…そこを楽しいと思えたんですね? 大変だったことはなかったのですか?

もちろん、楽しいことばかりじゃないです。

実は、ちょっと喉を壊しちゃったんですね。
しかも それが長引いてとても辛かったんです。

アルトとかメゾソプラノは、低い音が多いんですけど
ある程度 高い声も必要で
その頃、高い声が本当に出なくて苦労しました。

人によって声を出す感覚が違うので
先生は一生懸命に教えてくださるのに
先生のおっしゃっている意味がわからなくて、
発声がうまく出来ず、とても苦労をしました。

◆…どのように克服していったんですか?

先生方は、それぞれ正しいことをおっしゃってるんですけど
なんなら、同じことをおっしゃってるんですけれど、
言い方ひとつで
生徒側の受け取り方も若干違ったりするんです。

あくまでも、先生と生徒の相性の問題ですけどね。

悩んだその時期に
たくさんのボイストレーナーの先生がいる東京にいてよかったです。
いろんな先生に、いろんなアドバイスをいただけました。

時間かかりましたが、そこで声を取り戻せました。

◆…その後、大きく調子を崩すということはなくなりましたか?

声が枯れることはなくなりました。

ただ、声っていつもベストなわけじゃないんですよね。
日々 微調整だなと思ったりします、

若い頃は、力技で歌っていたと思います。
たとえ声が枯れても、若い頃は次の日には治ってたんですが
正しく基本を身につけてやらないと
声ってボロボロになるんですよね。

憧れの人の声を真似するんじゃなくて、
「肉体が違うのだから、声はまったく別」ということをおさえた上で
やり方だけ学ぶことを心がけることがとっても大事だと感じています。

私の声の通り道を自分でもつかめてきたところで、
音が安定してきたのかなと思います。

◆…声の出し方の指導、感覚を共有するのは難しいですね。

そのことがあったから、指導したいなって思うようになったんです。

声が出なくて苦労している人はたくさんいらっしゃいます。

発声練習から指導が始まりますが、
あの時、自分が喉を壊して難儀していなかったら
声が出ないことの大変さがわからなかったと思うんですね。

すごく辛かったんですけど
そのおかげでたくさん学びがあって
今振り返ると、良かったなと思えます。

私と生徒は違う肉体なので

今言ったこと分かる?
今言ったこと、どう思う?って聞いて

なるべく寄り添うようにしています。

例えばお腹から声出すって言ってもできる人は少ないです。
お腹と喉はどうやったら繋がるかとか。
やり方をすこしずつお話ししています。

◆…秋田で活動することになったきっかけはどういうことだったのですか?

大学で4年。二期会研修生で2年、
さらにもう1年東京でボイストレーナーの先生のもとで、
勉強した後、秋田にきました。

秋田で他の学校の友だちとかが、楽しそうに演奏会をしていて
一緒にやろうって声をかけてくれたので、
「必要としていただけることがあるのかな」と思って秋田にきました。

最初は特にお仕事もなくてどうしようと思ったんですけど
いろんな先生や、友だちが心配してくれて
お仕事に誘ってくれたり、生徒さんを紹介してくれたりして、
少しずつ、今の基盤のようなものができていきました。

◆…これが喜びだなって思うことってどんなことですか?

おかげさまで関わってること、全部楽しいんです。

カルチャースクールでは、
歌ってたのしい、スッキリした。
また来週!…っていうのが純粋に楽しかったり。

別の合唱団では、
ステージを目指して専門的にやっていて、充実感があります。

小学校では、卒業式の歌を何回か一緒にレッスンして、
いざ、卒業式で歌っている子どもたちをみて、
お母様たちが感激してくれたりすると
関わってる時間は短いけれど、本当に嬉しいです。

ボランティアで学校や施設に行って コンサートをしたりもします。

初めて声楽を聞くお子さんもいて、
声量にびっくりしたとか、また来てくださいとかお手紙をいただきます。
励みになりますね。

◆…音楽の持つ力ってどんなものなんでしょう?

聞く立場としても
歌う立場としても
いろんなことを感じますが、
なくてはならないものだと思います。

いままでなんとなく聴いてた歌でも
歌は歌詞があるので
こういう時期に聴くと
なんか心に響いたり、元気になったり
音楽があることで前に進めることってあると思うんです。

いま、思い通りにならない世の中ですけれど
なくならないってことは、必要なことのはずだし、
音楽をちゃんとちゃんと楽しめる世の中に戻れると思うので、
それを信じて、またみんなで手をつないでいければいいなって思います。

自分のコンサート、施設、学校訪問、自宅教室、短大、
カルチャースクール、コーラスグループの指導、など、
現在どの音楽活動にも大変楽しく関わらせていただいています。

まだまだコロナ禍での不安はありますけれど、
来年は、これらの音楽活動を
今まで以上に楽しんでいきたいと思っております!

(了)

インタビュアー:鶴岡 慶子