• 後編

はた みき

羽田 未希

【2】

◼️…社会保険労務士の勉強はどんなきっかけでしたか?

きっかけはとても現実的で、「自分はいくら給付金がもらえるんだろう?」でした(笑)。
出産手当金や育児休業給付金、健康保険や雇用保険の仕組みを調べ始めたんです。
たまたま夫が社会保険労務士の勉強をしようとテキストを買っていたので、読み始めたのが最初です。

そこには、私が店舗で実際にやってきたことがそのまま書いてあって驚きました。
・36協定届(労働基準法第36条に基づく「時間外・休日労働に関する協定」)を労基署に出す
・就業規則の届出
・出退勤管理
・残業の判断
・社会保険料が給与からどう影響するか
など、すべて実務とリンクしていました。
今までやってきた仕事とすごくつながる資格なんだと思ったんです。

テキストも手元にありましたし、早めに産休を取ることになって時間ができたので、そこで勉強を始めました。
子どもが一歳になったときに仕事に復帰したので、育児と仕事と勉強を同時進行する日々でした。

社会人になってからの勉強は、大学受験の時とはまた違う大変さがあります。
大学受験の時も頑張ったつもりですけれど、社会人になってからは時間の使い方が本当に大変だと感じました。
結婚・出産・育児をしながら資格を取る女性の方は他にもいらっしゃいますが、皆さん相当頑張っていると思います。

◼️…店長として活躍していた中で、開業を決意したのはどういった理由ですか?

すぐにではないですが、「いつ開業するか」を意識し始めました。
社労士試験に合格し、事務指定講習を受けると、開業できる条件が整います。

マクドナルドはとても働きやすく、いろんな経験をさせてもらったのですが、
24時間店舗と子育てを長期で両立できるかを考えました。

本社には既に社労士資格をお持ちの方がいて、社内で資格を活かすには“ポストの空き待ち”になります。
運任せより、自分の人生は自分で決めようと思って、『えいや』と独立を決めました。

スロースタートでいいと思って、ゆっくり始めました。
子どもが成長していくのに合わせて、事務所の仕事も少しずつ大きくしていく。
無理のない働き方を自分で作りました。

気づけば丸14年が経ち、子どもは大学生になりました。

WOMAN EXPO TOKYO 2015(前列一番左)

◼️…開業してから、どのように事業を育ててきましたか?

売上より、前年よりお客様が増えることを大事にしてきました。
営業よりも “ご紹介” が中心です。

出版した本(店長のための「稼ぐスタッフ」の育て方 (DO BOOKS) )がきっかけで SmartHR で記事を執筆し、
そこから他媒体の依頼、J-WAVE出演など、仕事が広がりました。
一つの仕事がいろんなところに波及していって、長く続けていると広がっていくんだなと感じています。

出版記念パーティ/J-WAVE出演

◼️…どんな分野や仕事を中心に担当しているのですか?

企業の顧問社労士として、労働基準法などの法律や会社と従業員に関わることを得意分野にしています。
・入退社手続き
・育児介護休業の給付金手続き
・就業規則作成と届出
・36協定の届出
・ハラスメント相談
・勤怠・給与計算

人に関わることすべてを見る “人事のプロ” として、中小企業とのお付き合いが中心です。

◼️…時間の使い方やスケジュール管理は、どうされていますか?

平日の9〜18時を基本稼働としています。
スタッフがいないので、自分で時間を組んで働いています。

Googleカレンダーで徹底管理し、漏れがないようにしています。
チェック者として自分を機能させるため、あえて時間を置いて見直すこともします。

時間外は基本的に仕事を見ないようにしています。
“繋がらない権利” は必要だと思っていて、LINEなども土日や夜は見ません。

以前、時間外にメッセージを見て安心してしまい、対応を忘れたことがあり、
それ以来、時間外には見ないようにしました。

◼️..お子さんももう少しで自立のタイミングですが、その先のことはどう考えていますか?

どこまで仕事を広げるかは、今まさに悩んでいるところです。
仕事の責任は重く、人を雇うのも大きな責任があります。
これからの課題だと感じています。

◼️…これから、どんな活動をしていきたいですか?

社労士は “人” を扱うため、杓子定規ではできない仕事です。
感情のある人間が相手なので、柔軟性が必要です。
近年、労働環境の変化や労働関係の法律が次々と改正されているので、専門家として、
社労士はまだまだ広がる余地があると思います。

また、東京都社会保険労務士会では高校生向け、板橋支部では中学生向けに出前授業をし、働くこと・社会保障について伝えています。
社労士という仕事を知ってもらい、いつか将来なりたい職業ランキングに載ったら嬉しいです。

社労士は、日常的な労務手続きやルール作りをサポートし、
会社の中で揉め事が起きないように “予防する専門家” です。

“いつでも頼れる身近な存在” としてお付き合いいただけるのが理想です。
今後も資格を社会に還元できる活動を続けたいと思います。

SmartHRConnect登壇(一番左)

人生のステキに会いにいく
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