ふだ ひとみ

布田 日斗美

北海道札幌市生まれ。
同志社大学卒。
1984年司法書士資格を取得、実務修習を経て1985年札幌市で司法書士登録。
1988年結婚と同時に秋田市へ。司法書士廃業。
2003年、秋田市で再び司法書士登録。
2019年より4年間、秋田県司法書士会副会長。
趣味は俳句、マンドリン、ヨガ、旅行、英会話。

布田司法書士事務所
〒010-0967 秋田県秋田市高陽幸町6番4号
電話:018-864-7311 FAX:018-864-7309
E-mail:hfuda@concerto.plala.or.jp

【1】

Q.司法書士はどのようなお仕事ですか?

あまり知られていないかもしれませんね。

「とうき」の仕事というと、焼き物の陶器と間違われたりします。
会社を経営している方は会社の登記がありますが、
登記…おそらく相続登記については、ご両親や祖父母が亡くなったような時に、
人生において1回とか2回経験することでしょうから、一般の人には馴染みがないでしょうね。

他には住宅を購入した時の売買登記
住宅ローンを借りた時の抵当権設定登記を代理して申請するのも司法書士の仕事です。

それから、2003年から司法書士も民事裁判の代理人になることができるようになりました。
特別研修と考査を受けて、合格し認定司法書士になるとできるようになります。
(私も認定を受けました。)
裁判と聞くと、弁護士を思い浮かべるでしょうけれど、
簡易裁判所の民事事件で、金額140万円を超えない案件については
司法書士も訴訟代理人になることができます。

余談ですが、秋田の裁判所の新築工事がようやく終わって、
新しくなったので、見学に行ってきました。とっても素敵になりました。

他に、最近は、後見人の依頼があります。
認知症のお年寄り等のために成年後見制度というものがあって、多くは親族がなります。
ただし身寄りのない方、家族がいても遠くに離れて暮らしている方、
親族間に争いがある方、複雑な法的問題を抱えている方の後見人に
司法書士等の専門家がなるケースがあります。

Q.その中で、特に多く手がけているのはどの分野ですか?

最近は相続登記の相談が一番多いですね。

相続には法律に決まっている相続分というものがあります。
それと異なる分け方にしたい場合は、相続人間で話し合いをするのですが、
中には納得いかない相続人がいます。

納得いかないと遺産分割協議書(話し合いの結果を記載した書類)に判子を押してもらえません。

当事者だけで話し合いが整わない時は
家庭裁判所に遺産分割の調停を申立てることになります。
ただ、この場合、管轄が家庭裁判所なので、弁護士しか代理ができません。

司法書士は申立の書類を作成することはできるので後方支援の形で関わります。
(その場合、裁判所には本人が行くことになります。)

Q.私たちが司法書士と出会うには、どうしたらいいでしょう?

実は、司法書士会館の総合相談センターでは、
電話と面談で無料相談を月曜日から金曜日まで毎日しています。

また相続登記相談センターでは
相続についてはどなたでも初回はすべて無料で相談を受け付けています。

他に、例えば

    • 両親が認知症になって困っている。
    • 夫との関係がうまくいかなくて離婚を考えているが
      住宅ローンが連帯債務になっていて離婚したら住宅ローンはどうなるのか。
    • 会社を作ろうと思うが どういう書類が要るのか など、内容はさまざまです。

司法書士間で輪番制で担当しますから、私も行きます。

また、法テラスにも月に2-3回情報提供職員として私も出向きます。
法テラスは、さまざまな法的トラブルを抱えてしまったとき、
その問題解決のための道案内をする情報提供と経済的に余裕のない方のための
弁護士・司法書士による扶助相談(無料)
弁護士・司法書士費用等の立て替えを主に提供している機関です。

扶助相談と立替制度には収入等に制限がありますが、
情報提供(例えばだれに相談すればいいのか、どんな解決方法があるのかなど)は どなたでも何回でも利用できます。

さらに、秋田市役所では
毎週火曜日に司法書士相談をしていて、いつも満杯です。
そこでも秋田市内の司法書士が順番に担当しますので、
私も年に2回ぐらい出かけて行きます。

ぜひお気軽に相談していただきたいです。

Q.相続登記をしようと思ったら、費用の内訳はどうなっていますか?

相続登記をする場合、国に払う登録免許税という税金がかかります。

仮に自分で必要書類を準備して、必要書類を全部作って、自分で申請しても、
税金は、申請の時に法務局に納めなければなりません。

司法書士に頼むと高額だというイメージがあるかもしれませんが、
司法書士への支払い必要書類の取得の部分と書類作成の部分と申請代理の部分ということになりますね。
必要書類を自分で取得するなどして費用を低く抑えることもできます。

なお、今 相続登記するといいことがあります。
評価額が100万円以下の土地は税金が免除されています。
秋田は評価額が、100万円以下の土地が結構あります。
たくさん土地を持っていても評価額が100万円以下ならば、税金は0円です。

2024年4月1日から相続登記が義務化されることを前に
国としても相続登記を進めてもらいたいということで
現在は免除にしているという時限立法なので、
いつまで免除かがわからないんですよね。(今のところ2025年3月21日までになっています)

もしお知り合いで相続登記をしてない人がいたら、
今がチャンスだよって教えてあげてほしいです。

Q.お仕事で大事にしているのはどんなことですか?

基本的な姿勢として、どんな仕事でも断らないということでしょうか。

私は、20代の頃、札幌で司法書士になりました。
実家は、四代続く司法書士家系で、祖父も父も司法書士でしたし、弟も甥も司法書士です。

弟が司法書士の資格を取った時に、事務所に3人も司法書士はいらないから、
好きなところに行ってもいいと父に言われました。

結婚して、秋田に来ましたが、実は15年間専業主婦だったんです。
その間、夫の仕事の都合で4か月間アメリカで生活することになりました。
みんなファーストネームで呼びあって、
ひとみは日本では何の仕事をしているのかと尋ねられて、
専業主婦って英語で何て言うんだろうとモジモジして答えられなかったんです。

その後帰国して、司法書士をもう一回始めることにしたのです。
事務所を立ち上げた2003年ごろは、ヤミ金融が問題になっていた時期でした。


司法書士も裁判の代理ができることになって、
私も考査を受けて、裁判の代理ができるようになったお陰で
債務整理もお手伝いできるようになりました。

弟は札幌で司法書士をやっていて、債務整理関連の仕事をしていたので、
ノウハウを教えてもらえたのも良かったです。

当時 秋田では債務整理を担当できる人があまりいなかったので、
どんな仕事でも断らずやろうと思いました。

外国人にもサポートしたいですね。
中国残留日本人孤児の中国人のご主人のサポートをしたことがあります。
またアメリカに住んでいる日本人の仕事も結構あります。

アメリカに住んでいる日本人は、日本に住民登録がないので、印鑑証明書が取れないんですね。
その場合サイン証明を、アメリカの日本大使館や日本領事館でもらうことになります。
外国人や外国に住んでいる日本人の相談も結構あります。