• 後編

のがみ きょうこ

野上 今日子

長野県中川村 結婚相談所所長
東京都世田谷区出身。
大学を卒業後、芸能界、バー経営を経て婚活業界へ。
2020年8月長野県中川村に移住。
現在は、中川村結婚相談所の所長としての婚活のサポートに加えて
移住定住促進や観光案内所で集落支援の仕事にも携わっている。

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【2】

●‥‥長野県との繋がりはどこでできたんですか。

これも、すごいご縁なんですよ。

2014
行政が自治体が民間の結婚相談所と連携して婚活をやるっていう国策があって、
長野県中川村の当時の係長から、
東京の私の勤務先に
一緒に婚活イベントやりませんかっていう連絡があったんです。

私は不在だったのですが、
上司の机に残っていたメモに
中川村って書いてあるのを見てびっくりしました。

中川村は私の母の実家なんです

人口わずか5,000人の小さな中川村が
よくピンポイントで私の働いているところに
連絡くれましたよね。

遠いところから針に糸を通すぐらい、すごい縁を感じました。
私の方から「話だけでも聞きたい」と上司にお願いしました。

結果的にその会社と中川村が連携協定を結んで
3年、中川村役場の方たちと一緒に
婚活イベントをする事になりました。

●‥‥そして、移住をする事になりますね。

中川村の結婚相談所が
婚活カウンセリングデーを開催するときに、お手伝いしました。

私はその時、小さい結婚相談所を立ち上げて、
フリーで動けるようになっていたので、出かけて行ったんです。

結婚相談所の所長さんが
「中川村に来てくれたらいいな」って言ってくれました。
その時の役場の方も「来てくれたら嬉しい」って言ってくれたんです。

結婚相談所を立ち上げたばかりで、責任があったので、
そこをクリアする必要はあったけれど、
「ああ、それいいなあ!」って思ったんですよね。

ケモノの勘ですね(笑)。

●‥‥それでもいざ東京を離れることになった時、迷いはなかったんでしょうか?

実際は、コロナの影響で、引っ越しはすぐにできずに
東京にいる状態で しばらくはリモートで仕事していました。

日本で売ってる世界地図は日本人用だから
日本が赤いからわかるけど、まあ~ちっちゃい国でしょ。
赤いから唐辛子みたいにちっちゃいんですよ。

世界全体がコロナと戦っている今、
東京と長野間が遠いとか遠くないとか
もうそんな小さい人間でいたくないって思いました。

私のことを望んでくれる、
求められる場所があるなら
どこへでもいける感じがしています。

今の私は。

●‥‥野上さんをこのように前に前に進ませたものは、何だったのでしょうか?

今振り返ると
私が人生の道を拓くとき、
力強い言葉
私を立ち止まらせてくれたり
前に押し出してくれたり……..。

そうして、
私の中に心に残る言葉をかけてくれる人が
その時々にいたと思います。

いい人に出会えたことは、本当にありがたいことでした。

●‥‥ぜんぶ相談活動に生きていますね。

ものすごく生きています。

目の前にいる相談者の気持ちがすごくよくわかるんです。
”わかるよ、私も経験したよ”っていうことがたくさんあります。

婚活って本当に深いです。

女性の場合、
若い時の婚活と
出産年齢を過ぎてからの婚活とは
意味合いが違いますしね。

「婚活」とは、もちろん結婚するための活動なんですけど、
自分がどんな人生を生きていきたいのか
自分を知る活動でもあると思うんです。

結婚したからといって幸せになれるわけじゃないし
結婚しないからって言って不幸なわけでもない。

●‥‥結婚が全てではないということですか?

その方がどうして結婚したいのかを
一回 整理してみようというところからスタートします。

・親から言われたから
・もういい歳だから

とか、いろいろあると思いますけれど、

なぜ結婚したいのか
自分にとって幸せな人生ってどういうことなのか。
結婚しない人生もあるのか、そしてそれは不幸なのか。

一回 自分の中で腹落ちさせるっていうことが必要ではないかなと思います。

自分軸で主体的に決めていく作業が大事です。

よくわかんないけど、モヤモヤしたまま
・結婚した方がいいって言われたから
・周りがみんな結婚してるから

と言うならば、 一回考えてみようよってことですね。

●‥‥自分だけで考えるのは難しそうですね。

そう。
実は一人では難しいので
気持ちを整理する方向にいくように
私という人間が媒介するってことだと思います。

こんな人生を歩いていきたいから
そこにはパートナーが必要だなと感じているなど、
自分の中の答えを
私と話す中で見つけて欲しいです。

その結果、
必ずしも結婚って形を取らずに
婚活をやめてもいいと思っています。

一番大事なことは、幸せになること!

この人と幸せになろう、この人を幸せにしてあげたい、
そう思えるパートナーと出会うことを
ずっとプロデュースしていきたいです。

形はどうあれ、パートナーを持つことは本当に幸せなことですから。

●‥‥野上さんは、様々な分野で活躍なさってきました。
それぞれが一見 かけ離れているようにも思えるけれど、
「人を楽しませたい。幸せにしたい」というところは一貫しているんですね。

現在は、中川村結婚相談所の所長としての婚活のサポートに加えて
移住定住促進やこの春新設した観光案内所で集落支援の仕事をしています。
(ここでも私の雑用力は生かされております)

「橋渡し」の仕事が私の天職ではないかと思っていて、
人と人とが出会える仕組みを作ること、
誰かのサポートをする仕事はずっとやっていきたいなって思っています。

(了)
インタビュアー:鶴岡 慶子
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