みうら ゆき

三浦 由妃

茨城県出身。結婚と同時に仙北市角館へ。
現在は 夫が経営する葬儀社「株式会社 丸栄堂」終活カウンセラー。

仙北市角館の葬儀社 丸栄堂
所在地:秋田県仙北市角館町角館下菅沢195-1
TEL:0187-54-2267

【2】

◆…「葬儀ってこういうことなんだ」と思えるようになったのはいつ頃からですか?

10年ぐらい経った頃でしょうか?
経理の仕事もしていたので、お客様の近くにいなかったんですね。

10年ぐらい経った時に
だんだん自分でお客様を担当するようになってきて、
「お客様って葬儀だけを施行するだけじゃなくて、
もっと違うことを望んでいるんだな」と思うようになったんです。

◆…違うことというのはどういうことですか?

例えば、思い出の写真を飾りたい。棺にこういうものを入れたい…。
そのような遺族が思う「送り方」を聞けるようになりました

それまでもお客様はお話ししてくださっていたのかもしれませんが、
自分が気配りできるようになって、
自ら気付けるようになったのが10年過ぎた頃です。

◆…お客様の反応も変わってきたのではないですか?

今はお客様に言われて一番嬉しいのが
「三浦さんに担当してもらって良かった」「ありがとう」という言葉ですね。
そんな時は、一緒にお見送りできて良かったなと心から思うんです。

葬儀は悲しいし、つらい場なんですけれど、
いいお葬式できたって言ってもらえることがすごく嬉しいですね。

◆…印象的だったご葬儀はありますか。

私の茶道の師匠のお葬儀ですね。

先生とはご近所で顔見知りではあったのですが
私が40過ぎて趣味を持とうと、興味があった茶道を習い始めました。

お稽古のとき先生は
「私は十分楽しい人生も送れたし、いつ死んでもいいように準備はできているのよ…。
葬儀は由妃さんにお願いするわね」といつも笑顔で話していました。
あまりに はっきりお話するので、私は答えに困ることもしばしばありました。

でもお話の通り、
エンディングノートには会葬者に向けたお礼の言葉をしたため
家族が困らないようにバックには先生自身に関係する書類などを入れている
と教えてくれました。
先生なりの終活をしていたのだと思います。

何年かして先生は体調をくずして入院してしまい
そのままお亡くなりになりました。

葬儀社スタッフとしての立場、葬儀に参列する立場、
両方になる初めての葬儀施行でした。

ご家族に「茶道をこよなく愛した母親のために献茶をして欲しい」とお願いがあり
葬儀社スタッフとして 会場(お寺)での準備、姉弟子との打ち合わせをしました。
献茶とは、亡くなった方にお茶を点て供えることです。

葬儀当日は、葬儀社スタッフとして準備もしながら、
弟子として献茶を滞りなく進めることで、
すごく緊張しながらも先生、家族、弟子、会葬者…
すべての思いを表現できた葬儀が私自身初めてできたのではないかと思っています。

後日、ご家族にも「母親を思い出す葬儀ができた」と言葉をかけてもらいました。

今 話をしていてもホロッとしちゃいます。

◆…丸栄堂の「葬儀社としてのあり方」はどんなことでしょうか?

故人様を送ることは、ご家族も、私達(葬儀社)も、お寺さんも
向かってる方向は一緒なので、
手を取り合って、良い方向に向けていくことが大事だと思います。

ご家族からすれば、最期に大事な家族を送り出すことなので、
(宗教的にNGなこともあるんですけど)できる限りご家族や故人の気持ちに添って
お客様が望むような形をかなえて差し上げたいですね。

その前の段階として、終活カウンセラーとしてお困りごとの相談をお受けしたいと思います。

ペットについてもそうです。
ペットも家族の一員ですから、旅立ちの支度を一緒にしっかり整えて供養します。

自社霊園もありますので、終活からワンストップでお力になりたいと思います。

◆…これからの送り方をどのように考えていますか?

本来悲しいことではあるのですが、
何か忘れてたことを思い出せるような送り方がいいなと思います。

故人に深く関わった人で
家族も知らないような人が 絶対いるはずで、
そういった方々をシャットダウンするのではなく、
きちんと受け入れて送り出すのが本当はいいと思うんです。

人は一人では生きてこられなかったので、たくさんの人が故人の人生に関わっています。

故人が今までお世話になった方や、お友だちが
最期 お顔を見たい、話しかけたいという人が必ずいますから、
家族葬も もちろんいいですが、
関わった方 みんなで送れる(会葬者も受け入れる)一般葬がいいですね。

コロナ対策をしっかりした上で、
家族葬も、一般葬も、どちらも選択肢として、ご案内しています。

時代の流れで、簡素化しよう、省略しようという流れもありますが、
儀式において何故そういうことをするか、一つ一つに意味があるので、
やはりきちんとそこを踏まえながら、その時を大切にできればいいなと思いますね。

(了)

インタビュアー:鶴岡 慶子