◆…我慢強さが必要ですね。
根性はあるかなと思います。
厳格な家庭で育ったのが影響しているかもしれません。
自分のことは自分でするように、育てられました。
それが当たり前のように育ったので、
社会に出てからは打たれ強いタイプだったと思います。
後に、この我慢強さも強すぎると良くないなと発見することになりました。
突っ走っしりに突っ走って ある時バタンといった倒れた時期があるんです。
自分では無理してるつもりじゃなくても、突っ走り過ぎたと気付きました。
それ以降は徹夜でやらないと納期に間に合わないものでない限り、
朝ちゃんと起きて、夜はきちんと寝るようになりました。
(筆が)乗ってるなと思っても翌日に改めて考えてみると、
眠ったあとは頭が冴えていて、結局はもっと良いものが書けると感じることが多いです。
突っ走りそうになると「休みなさい、休みなさい」と自分に言い聞かせています。
ただ、もう何も悔いがない、翻訳の全てを見たから もうやめてもいい!と思ったことがあります。
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』というベストセラーシリーズがあって、
その内の1冊を私が担当させていただいたんです。

納期が3カ月。
全部で370ページの百科事典のような作品でした。
調べ物が多くその上で文章を書かなければいけないというので、ものすごい作業量でした。
納期に間に合わせるためには
1日何ページ進めなきゃいけないかを計算したら 3カ月間1日も休めないなって思ったんです。
朝から晩までやって、土日も一回も休まず3カ月間こもりきりになりました。
腕も腰も痛くなってくるは、目も見えなくなってくるは、
(マウスの操作をするので)手のひらも痛くなってくるは、で、身も心も疲弊してしまいました。
もうこれ以上 翻訳のお仕事を続けることはできない と思ったんですが
しばらく経ったら、そんなこと忘れちゃうんですね。
またやりたくなってしまうんです(笑)